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ダンッ
「……………っぶな
ごめん」
「…………いや」
冷蔵庫の横から伸びている壁に左手を付けて、右腕で私を抱えたケイの安堵のため息で頭のてっぺんが温かくなる。
「ごめん
つい力が入っちゃった」
私から離れるケイのお腹の辺りに落とした視線を上げられない。
「あやめ軽すぎ」
ふっと笑ったケイはそのままソファに座ってテレビを付けた。
私はケイに抱えられた時に
接触していた左腕を自分の右手で掴んで
止めていた息をゆっくり吐き出した。
胸板が男の人だった………。
当たり前だけど。
突然の出来事に
高鳴る鼓動がやけに私を動揺させた。
植え付けられた時限爆弾が音を立てて弾けるのは
もっと先の出来事。
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