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ユリの同期達が若いせいか、何時もよりお酒の進みが良かった。
仕事について熱く語る人もいれば彼女について相談する人もいる。
そう言う話を聞くのも悪くない。
「市原が転勤なっちゃって大変でしょ?」
湯原さんが私の隣に座る。
「あ、はい
先輩仕事早いから追い付くのに必死で」
「まぁ………辞める訳じゃないから電話で聞けるしね
あんまり根詰めるなよ」
ぼんと頭に手を置かれた。
あ…………
何か違和感。
「はい」
私は首を竦めながら湯原さんの手から逃げた。
「…………」
湯原さんは私の行動に苦笑いしてお酒を口にした。
「気にかけて頂き、ありがとうございます」
私は申し訳なく思い心ばかりのお礼を言った。
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