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細く白い煙が上へと昇る。
「お前あんな飲んでたのに全然平気なのな」
お店から出て、座っているユリの横に湯原が立ち煙草の煙を横に吐く。
「えぇ、あのくらいなら
湯原さん女性に『お前』は禁句ですよ」
「こわっ
合コンじゃ性格変わるくせに」
「湯原さんには関係ないじゃないですかぁ
さっさと二次会行ってくださいよ」
ユリは自分の肩に寄りかかって寝てしまっているあやめの顔を覗き見た。
「俺帰るし」
「じゃあさよなら」
「冷たいねぇ
本庄さんが帰ったら二次会まで送って行こうと思ってるのに」
くすくすと大人な笑い方をする
湯原を見上げたユリは
知ったような顔をして口角を上げた。
「気になるんですね?」
「何が」
「またまたぁ」
けらけらと笑う可愛い声に湯原が眉間に皺を寄せた時
「すいません」
遠くから呼びかける声で二人の会話は中断された。
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