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「…………」
焦ったって早く着くわけでは無いけど電車の中で小さく足を揺すってしまう。
連絡を貰った20分後には、あやめの会社の最寄り駅に着いていた。
温かさと涼しさの混ざったような風が体を通り抜け、足を早めさせた。
言われたであろうお店の近くに人がいて、男性と女性が話している声が小さく聞こえてくる。
良く見ると
あやめが女性に寄り掛かりながら寝ている様子が遠くから見て取れたので
足早に駆け寄り「すいません」と、声をかけた。
側に立っていた男性が此方に気付くなり顔を険しくする。
「すいませんご迷惑かけて
先程電話した天野です」
会釈をし、あやめに近付くと隣の女性が謝ってきた。
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