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カーテンの隙間から、
朝の日射しが射し込んでくる。
真琴はゆっくりと目を開いた。
最初に目に映るのは、
見慣れているはずの天井なのに…
何故か視界がぼんやりと歪んでいる。
そっと目元を拭った手は濡れており、
自分が涙を流していた事にようやく気が付いた。
(…また、泣いちゃったんだ…)
自嘲するようにクスッと笑いを溢す。
…幾度となく見た「夢」。
けれど「彼」に会えば会うほど、
胸の奥が愛しさで溢れて涙が止まらなくなる。
「…“夢”…なのに、ね。」
そう一人呟いて、
真琴はベットから起き上がった。
カーテンを開けると眩しさで一瞬目が眩む。
空は曇天。
今にも雪が降りだしそうな真冬の空が、
どこまでも続いていた。
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