桜色の記憶~蕾~

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  「ブブブ…」 すると、 マナーモードにしてあったケータイが、 机の上で着信を告げた。 (こんな朝早くから誰だろう…?) そう思ったが、 時計を見ると9時を過ぎており… 「早い」とは言いがたい時間だった事に気付く。 …幸せな「夢」の中で随分とのんびりしていたらしい事に、 真琴は思わず苦笑した。 そして、 机の上で震え続けているケータイを手に取る。 「もしもし?」 《あ!もしもし、まこちゃん?おはよー!》 電話に出ると、 直ぐ様聞き慣れた明るい声音が返ってくる。 …相手は、 親友である「川嶋 莉子」だった。 「おはよう。」 《ごめんねぇ、せっかくの休みなのに、朝早くから電話しちゃって…。寝てた?》 「大丈夫だよ、ちょうど起きたところだったから。」 《あ、やっぱり?声が寝惚けてると思ったー!》 「え、嘘!寝惚けてる?」 そんな他愛もない会話で暫く笑い合う。  
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