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茜色に染まる丘の上に、凛とした目をした1人の少年が佇んでいた。
「…この世界は腐っている。」
そう、腐っていたのは彼の頭。
昔の俺である。
誰が聞いても恥ずかしいと思えるようなセリフを、昔の俺は平然と、どこへ続くかもわからない空に向かって吐き捨てていた。
中二の俺が直面していた病気は、そのまま言葉の通り厨二病である。
「あぁ、だから俺たちの手でこの腐った世界を変えてやろうぜ。」
そんな彼の後ろから、同じ病に犯されている者の声が聞こえる。
「……そうだな…」
彼はそう冷静に返した後、夕日に背を向け、彼らの影はコンビニへと姿を消した一一…
厨二病 それは誰もが通る道であり、大人になる為に必要なシルクロードでもある。
そんな道を行く彼らはどこにでもいる普通の少年。
ただ途中にある別れ道をどう進むかによっては行き先も異なる訳で一一…
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