裏町の顔

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皿に盛り付けられた料理は華美とは程遠い素朴な見栄えだが、味は抜群だったようでハルの横には皿が積み重なっていく。 「うめぇえ!!めっちゃうめぇえよ!!この肉も野菜も最高だぜ!!」 食べる合間に無垢な少年のような笑みで喜びを現す。 「はぁ、なんちゅう食欲だよ。そんだけ食っていいな「おかわり!!」……マジかこいつ」 奢ると言った手前、制限を掛けるのも男として情けないし好きに食わせていたが、想像以上の食い気に呆れ果ててしまった。 「でも凄いですよね!ギルドのメンバーでもこれだけ食べられるのは"底無しのダリ"だけじゃないですか?」 「確かにな、そういやダリは?」 「コフィに"クマ豚"を狩りに行ってます」 「クマ豚な、ありゃあモノによっちゃいい金になるからな。 それにしても最近精力的によく動くな、どうかしたのか?」 「それが――… ハルが食事に夢中な間にマスターとミワは、ギルドの現状について話し始めていた。 そう、ここはフィッシャーマン公国に唯一のギルド、"砂塵のバースコート"であった。 今は人だかりで見えないが壁には様々な依頼用紙が貼り付けられている。 そんなことも露知らず、ハルは食事に夢中になっていた。 しかしそれも、どうやら終わりのようだ。 .
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