裏町の顔

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ミワはどうやらバースコートがハルを気に入り仲間に取り込みたいことを察知して、ハルに近付いた。 「ねぇ、ハルさん?一緒に働きませんか?」 ツインテールの黒髪、大きな瞳に長い睫毛、メイド姿の小柄な体を近付けられ、上目遣いにお願いされれば堕ちない男はいなかった。 が、 「ん――…今は遠慮しとく」 「「何っ!?」」 ミワの必殺技に堕ちなかったハルにバースコートとミワは心底驚いた。 (こいつ、ミワのお願いに堕ちないとはどんな神経してんだ!?そっちの気があんのか!?) (ちょっとマジ!?私のお願いが効かないってアンタ男!?) 二人はそれぞれ同じようなことを考え、信じられないようなモノを見るようにハルを見た。 さらに追い討ちを掛けるような言葉がハルの口から出る。 「実は行かなきゃいけない所があって。 なぁ、マクベス商店って知ってる?」 「「マクベス!?」」 「お!知ってんの!?」 「知ってるも何もマクベスを知らなきゃ裏町じゃモグリだぜ!」 「え?有名人なの?」 「ああ、特に裏町や富豪の連中からはな。マクベスの顔を見た奴はいねぇ、素性も誰も知らねえ。だが、貧しい者には金や食料を与えるし、富豪のとこにはかなりの珍品を持っては大金をせしめるって話だ。富豪や貧しい者の依頼を聞くことがあるみたいで、マクベスは"独りギルド"とも称されている。 何回か捜索依頼があって、店に張り込んで粘ったが姿を見せなかったしな。誰も本当の所は分からん」 つまりはマクベスに会うには雲を掴むようなことらしい。 (こりゃ参ったな……) ハルは困惑した。 .
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