――プロローグ――

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葉月高校の二階。 向かいから2-A、2-Bと二つの 教室と生物室の先。 そこ……生徒会室に四人の 役員がいる。 もっと言うならば四人の ---少女---がいる。 「だーかーら!!今日は僕からッッ」 「昨日も海ちゃんからだったよ? 今日は私のはずよ?」 やたら甲高く大きな声が放たれた 直後に静かなホッとさせるような 声が届く。 その二人の対称とも言える声を 「もういっそ私でよくない?」 空気の読めないしれっとした 声でその場のムードをさらに悪くした。 「雪菜は昨日の最後にビリになったでしょ!!」 再び甲高い声。 「あの……」 ここで四人目の声がその空気を 一度止める。 「なんだね赤坂!僕を引き留めるんだからそれなりの理由があるんだよね!?」 「えっ……いや……まず何の話ですか?これ」 赤坂と呼ばれた彼女は入り口の前で立ちどまっている。
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