3人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
ここは神奈川県の中でも農家が残る田舎。
神奈川県の形をよく犬に例えることがあるがそれでいうと、犬の前足にあたる地域だ。
これでも横浜までは意外に近い。このことはこの地域に住む人にとって大きな自慢の1つなのである。
僕はそんな田舎にある学校に通っている高校2年生だ。
名前は…小田原 翔なんとも惜しい名前を親はつけたなと思っている。
こんな名前のため決まって呼ばれるあだ名がある。
「おーい!ジョー、プールの事件聞いたか?」
僕に話しかけてきたこいつはユウキ。同じクラスの男友達だ。明るめの茶髪に、耳には1つピアスの穴が開いている。ただ、ヤンキーと呼ばれる方々でもなければ、目立ちたがりというわけでもない。むしろユウキは、度が着くほど真面目な人間である。
田舎という土地柄かこの高校の校則はゆるいものになっていて、この学校ではいたって普通の身だしなみということなのである。
そして、ユウキによって発表された僕のあだ名は…ジョー。
小田原ジョー…小田原城…なんとも分かりやすいあだ名をつけられたもんだ。
最初のコメントを投稿しよう!