プールでデビュー

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僕はあの有名なセリフを開会宣言とし、一か八かの推理を始めた。 「犯人は、この中にいます!」 突然の開会宣言に警察、警備員の2人、プールの中を捜索していた人たちまで全員から視線が寄せられる。 名探偵みたいなヒーローになりたいという私欲と、後日呼び出されるのは面倒くさいなぁという邪念から出た名ゼリフは、取り消し不可能な雰囲気になっていた。 「犯人が、分かっただって!?適当なことを言ってんじゃないだろうね?」 おいなり刑事が、半分核心をついた疑問をぶつける。 「適当じゃないですよ。じっちゃんの名にかけて!」 また、力強く名ゼリフをパクってしまった。 「後日、署で君の推理は聞くよ。」 おいなり刑事はやはり、信じていないらしい。 仕方ないこうなったら、興味が沸きそうなことを言うか…。 「後日じゃダメなんです。証拠が消えてしまいますよ。」 「プールは閉鎖して、警察の管理に置くから大丈夫だよ。」 刑事の心は、揺れなかったようだ。 「おそらくプールに証拠はないです。それより、早くしないと乾いちゃいますよ。」 「どういうことなんだい?」 やっと興味をひくことに成功した。 「体育倉庫とかに、証拠があったりするかもね。」僕は、そう口にし警備員の2人に目をやる。 「じゃあ聞きたいんだけど、犯人は誰なんだい?」 半信半疑でおいなり刑事は回答を求める。 「犯人は岡村さんです!」 …と言い切ったものの、ここからが答え合わせだ。 僕は、おいなり刑事を引き連れ急いで体育倉庫に向かった。
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