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降りて行くと、帳場に楓がいた。 店の半纏を着こなした優男な楓は佇まいが美しい。 「おはよう、雛」 雛に気付いたようで、微笑み、声をかけてくる。 店にはまだ客は来ていないようだった。 「おはよう」 外はもう暗いけど、雛は返事をして楓にそっと食むように口付ける。 楓は舌を入れ、応じてきた。 「んっ…」 二人の間にくちゅっと水音が鳴る。 最後に舌は雛の口の中をぐるっと一周なめ回してから、銀の糸を引いて離れていった。 その軌跡を伏し目がちに追う雛。 少し開いた紅い唇が輝る。 楓は雛の頭をがさっと撫でた。 「今日のお仕事は??」 「今日はお前は休みだ。」
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