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「その子は、孤独じゃないよ。」
頭上から降ってきたのは、雪のように冷たい一言。
猫をゆっくり地面におろして、声のするほうを見上げる。
そこには、昨日の彼がいた。
にっこり笑った彼の目は、やっぱりどこか笑ってなくって切なかった。
「その子猫は、僕の家の子。ミルクって言うんだ。」
ミルクという子猫は、彼の声に反応し私のもとを離れていく。
この、子猫は私と同じじゃない。
彼から、逃げるように立ち上がり私は歩きだそうとした。
「待って....。」
彼の低い声が私を呼び止める。
「何...?」
彼は、にっこり笑いポケットをあさりだした。
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