梶 龍之介

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私は、彼を睨み付けた。 「学校で、私に話しかけたら容赦しないから。」 彼は、またにっこり笑い私の方を見つめた。 「今、話しかけられてるのに....??」 彼は、私を鼻で笑う。 私は、目の前にあったゴミ箱を思い切り蹴った。 「そんなに怒んないでよ・・・。そういうの、イライラする。」 目の色を変えて言う彼を見て何も言えなくなった。 私は、ゆっくり後ろに下がって保健室を出た。 「また、来てね。来棲さん。」 振り向かなくてもわかる。 彼は、きっとまたあの笑顔を浮かべている。
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