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「今から教えますから黙ってて下さいね?じゃないとスプーンで、目玉をくりぬきますよ?」
その言葉と共に妖しく光るスプーンが、会長の両手を行ったり来たり
そして綺麗な笑みは、腹黒いモノを含んだ笑みへ
「やだなぁ会長たら、分かってますよ。」
私はそう笑って返したが、多分ひきつった笑顔になってしまっただろう
マジで誰だ聖母とか言った奴、ソイツの机にスプーン突き刺してやる
と…勿論、口には出さず心に誓った
「冗談はさておき…。」
「早くして下さいね会長?昼食時間もあと八分しかないですし。」
ソファーに凛々しく突き刺さるスプーンを引いてみるが、微動だにせず
むぐ、抜けないな
「それに関しては心配しなくて大丈夫です。学園長から許可もおりてますし…今日、呼び出したのは貴女の才能を貸して欲しいんです。」
「私の才能をですか会長?」
「私に二言はありません。」
会長は真剣な表情でそう断言する
けど…断言しないでよ~会長
才能者が才能を使い始めたら膨大なエネルギー摂取と、長時間の休息が必要になるのを知ってて昼食時間に呼び出して…
これが人間の所業と呼べるだろうか?
いやいや、無理だって
「おに!きちく!!ついでにアタシの十個限定スーパーDXジャンボサンドイッチかえじてぇ~!」
今頃みんながご飯を食べていると思うと、涙腺が緩み止めどなく涙が溢れ声も震える
あれ?本音って言っても最終的に食べ物?
とも一瞬考えたが、やっぱり本音より食べ物の方が大事なので、その疑問はスプーンで心に縫っといた
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