偽りの赤

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「待って映司君!」 治療が終わってないにも関わらずヤミーを追う映司。比奈はそれを必死に拒む。 「でも、行かなきゃ!アンクだってきっと・・・!」 映司はそう言うと、黄色のメダルをベルトに装着する。変身音と共に徐々に変化していく映司の体。 黄色の高速形態、ラトラーターが徐々に比奈と信吾の距離を長くしてゆく。 比奈と信吾は、ただじっとそれを見届けるしかなかった。 その頃バースは、恐竜ヤミーとの激戦を交えていた。恐竜ヤミーの特性は、コアメダルの能力を無効果に出来ること。セルメダルをエネルギーとして戦うバースなら、少なくとも能力面以外では有利。 だが相手も並では無かった。 クレーンアーム、ドリルアームもまるで効かない。そのまま、厳しい接戦が続く。 映司は、凍結された人々を救出して、バースの援護を始めようとしたが、思いがけない敵が現れた。 アンクだった。しかもロストアンクで、当然パワーアップしてる。 「遅かったね」 ロストは自信満々な表情でオーズに語る。その時映司は大変なことに気がついた。 「!アンクの気配が・・・!」 「ああ、随分と抵抗したけど・・消えたよ」 「・・・!」 「ねえ、一つ聞くけど、アイスって美味しいの?」 アイス。アンクが初めて美味いと思った唯一の食べ物。ロストはその味覚を知らない。 「さあ。ただ、一つだけ分かるのは、アイツはそう簡単にくたばる奴じゃ無いってことかな」 「そう。じゃあ僕を倒して確かめてみれば?でもその前に、僕のメダルを返してよ!!」 「違う。お前のじゃない。 アイツのだ!!!」 映司は体内から出てきた三枚の紫コアメダルをベルトにセットして変身した。禍々しい紫のオーラが映司の体を包む。やがてオーズは恐竜形態であるプトティラコンボへと姿を変えた。 太古から目覚めし偽りの炎。 全てを破壊し尽くす暴走の氷。 交わってはならない二つの強者が欲望の為に激闘を繰り広げる。
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