偽りの赤

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「大丈夫?映司君」 ロストに完敗し、重傷を負った映司。 「アンク・・なんでお前・・・」 傷の痛みを感じながら、アンクのことを思い出す。 最初に合った頃は、本当にどうしようかと思った。信吾さんの身体を使って、他のグリードにまで対抗したり。いきなりオーズに変身させたり。 グリードは慾望が無ければ生きられないとかなんとか言ってた癖に、結局自分の欲を表さなかったな。 なあアンク、お前の欲って一体なんなんだ? 人のせいにしたり、無理矢理戦わせたり、それに俺の体内にあるこのメダルの事も、結局教えてくれなかった。 映司は、味もしない肉を食べながら、振り返った。 「何で素直に言えないんだよ!」 そこにいるはずもないアンクの幻影を見ながら、映司は怒鳴った。 すぐさまに消える幻影。届くはずもないお前の腕。 その日の夜は、とても長かった。
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