偽りの赤

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「映司君どう?口に合わなかったら言ってね」 比奈の料理を食べ続け、信吾とアンクをどうするか考える映司。 映司はそこで、思いがけない事に気がついた。 味がしない。いくら食べても、食べたという感触もしない。 原因は分かっていた。体内にある紫のコアメダルである。 かつて欲望の王オーズが存在していた800年前。その時代にさえ存在しなかった現代のコアメダル。なぜ作られたのかは分からない。ただ欠点がある。 人の体内に入りこみ、装置者に強大な力を与える。しかしそれは、グリードになるのと同じだった。 グリードは欲望を餌にしている。なので味覚が全く感じられない。 感じさせる条件は、瀕死の人間と同化すること。体、意思、全てが自分の思い通りになる。 アンクがそのうちの一体だった。 信吾が完全に意識を取り戻した今は、アンクは同化出来ない。 じゃあ、お前はどうやって生きて行くんだ?なあ。アンク。 「映司君。味はどう?」 「うん。美味しいよ。大丈夫」 映司は元も子もない嘘を吐いた。 「アンク、救うんだろう?だけと君1人では」 「大丈夫です。後藤さんがバースになって援護してくれます。心配しなくていいですよ」 そうか、とうなずく信吾と比奈 。 一方、恐竜ヤミーが再び現れた。 オーズとの決着を着けるため、街の人々を凍死させて行く。 ヤミーの気配を感じ取った映司はすぐさまヤミーの所へ向かう。 そしてグリードの気配も感じた。
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