プロローグ

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「立派な依頼だっつーの」 ボスは立ち上がって怒るが、みんなは呆れた様子で思い思いの行動を取る。 「いっせい!」 ボスの突然の呼び出しに思わずびくつく。 「今回の依頼はお前が担当しろ」 「あ、はい」 気のない返事は宙を舞う。 みんなは安堵の表情を見せ、次の瞬間には同情の視線を向けられた。 藍川さんにはピースサインを向けられてしまった。 「いっせいは初依頼だから、郷美!お前指導係な」 「げーっまじかよ」 今度は郷美さんに睨み付けられる。 「しょーがねーなっ」 チッと舌打ちをして、ボスから依頼書を受け取った。 郷美さんは僕より3年早く入社した、一番年の近い先輩だ。 そして、言葉遣いは荒いが一応女性。 と、気付いたら僕の方までづかづかやってきてこう言い放つ。 「しくじったら、殺す」 やっぱり、この会社に入ったのは間違いだったようです。
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