神様のお茶会

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「大事な話?」  神とそんな会話をするのは久しい。前にも三度ほど、そんな話があった。  それらはすべて、『次の世界の生命のバランスを整えてほしい』とか『悪と善のバランスを整えてほしい』とかそんな内容、つまり仕事の依頼だった。  その仕事をこなすための力として、来世にはそれなりの力が約束されるし、良い暇潰しにもなる。仕事があるなら、喜んで受けたい。 「ひとつは君の予想通り、仕事の頼みさ。次の世界は僕たちの間では"Half New World"、つまりは『未完成の新世界』とかって呼ばれてるところなんだけど――最近、新世界の者達は、『神理』に近づき過ぎててね。正直、うざったい」 「『神理』?」  俺は知らない単語に問い返す。  俺にもまだ知らない単語が存在したのかと、地味に感動を覚えた。 「言葉そのまま、神の理だよ。あれは許可なく踏み込んじゃいけない領域なんだ。原因はこちらにあるとはいえ、迷惑は迷惑だよ」  神は人間をゴミ、いやそれ以下としか思っていない。  俺なんかは彼を楽しませている分ゴミよりはマシなんだろうが……、しかし神は見た目よりも酷く冷酷だと俺は知っていた。  俺は人差し指を立てて私に言う。 「君に頼みたいのは、その『神理』に誰も近づけないこと! まぁ君が転生してしばらくは安全だと思うから、この仕事にはゆっくり取り掛かってくれればいいよ。仕事が円滑に進むように、君にはそれなりの力が入るよう調整しとくから」 「了解だ」  俺が了承すると、神は少し機嫌が良くなったようで、「そうかい」とにっこり俺に笑いかけた。 「もうひとつは、百一回目の転生記念――まぁ別に百回目の死亡記念でもいいけど――とりあえず記念に、君にプレゼントをあげちゃう。これは他の参加者の全員にしてるサービスだから、遠慮しないで受けとってね」 「死亡記念って、喜ぶところなのか……? で、プレゼント? 何だ?」  俺が聞くと、神は笑顔を崩さないまま答える。 「何でもいいよ。欲しいものひとつあげちゃう。不老不死で最強の肉体でも、超絶イケメンフェイスでも、有り余るほどの富でもいい! 君はいったい何が欲しい?」 「欲しい、もの……」  俺は、俺が欲しいのは――。    ◆ ◆ ◆
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