それぞれの根、それぞれの涙

1/1
前へ
/12ページ
次へ

それぞれの根、それぞれの涙

一滴の涙、どこまでも深い夢。 どうして、座り込んだ俺は立ちあがれない。 このまま全て、終わってくれればなんて。 それでも、きっと足掻くんだろうけど。 眠らない、叫べない、笑えない。 唄にするには、綺麗じゃなくて。 誰からの共感も得ない。 あまりに幼稚な言葉ばかりで、 死にいくそれぞれの涙と解けない。 いつか見た景色、そんな場所なんて無い。 どうして、当たり前の答えさえ、どうして。 生きとし生けるものの外に。 息をし続け、醜く縋り。 誰からの救いも無くて。 あまりに捻じれた言葉ばかりが、 立ち上がろうとする足に絡みつく。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加