過去を生きる

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過去を生きる

何の為に胸を痛め、息を殺しているのか。 余裕の無い鬱空に吸い込まれた欲。 何時か何処かで報われ、何かを与えられるんだと。 叩いた石橋さえ渡れずに佇む。 泣き崩れ、抱え込んだ墓標の中へ。 何もかも明日に任せて、 涙は風に曝され跡を残し、欠ける。 泣き疲れ、ただ優しい夢の中へ。 目を覚まし俺が見たのは、 自分を信じることを諦めた俺。 重く苦い太陽は、甘く優しい過去を照らす。
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