尽き果てるまで、思考と眠る

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尽き果てるまで、思考と眠る

  時計を見つめている。 己一人、細胞の一つ、もっと小さなモノ。 それぞれが、 それぞれに、 経ていくだけ。 それが時間と呼ばれ。 有あればこその空間となり。 上下前後も無く。 後も先も無く。 立ち尽くす有と無の境界? どんなに飾り立てたモノでさえ、 どんなに意味を奪ったモノでさえ、 どんなに感情に響くモノでさえ、 人に捨てられて、 命に捨てられて、 星に捨てられて、 宇宙に捨てられて、 神に捨てられて、 有に捨てられて、 己の命よりも大切なものでさえ。 時計を見つめている。 その価値を噛み締めながら。
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