第一章 『出逢い』

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取り敢えず、今は早く荷造りをしないといけない。 会社で使っているデスクの上の 書類やら自分の物をダンボールの中へ入れて 部長や、上司に後輩にまで 挨拶をしてみんなの前から去る。 「はぁ…」 さて、家に帰ったら真人に 先ずは言わないといけないな… 「あ、次いでだし ケーキでも買ってやろう」 真人は甘党だから 喜んでくれるだろうな。 少なくとも俺はそう思っている。 小さい頃からずっと一緒だったからだろう。 二人共に好きな物や嫌いな物迄把握しているのだ。 ある意味すごいなと改めて思った。 カランコロン… 『いらっしゃいませ』 暫く歩き続けていると、 この辺では少し有名なケーキ屋に着いていて、俺は何の躊躇もせずにその中へ入る。 すると、店の中は俺以外には男が誰もおらず店員迄もが皆女の人だったのだ。 (ちゃんと中を見ておけば良かったなぁ…) そんな事を思いながら 相手が好きそうな生クリームのショートケーキを選び 店員さんを呼び出す。 「すいません…」 勿論、恥ずかしくて顔を少しだけ赤く染めながら俯き加減でいった。 「あ、はい! ご注文のほうでしょうか」 「はい… その生クリームのショートケーキを一つとチーズケーキを一つでお願いします」 「少々お待ちくださいませ」 女の人は、ニッコリと微笑んでは俺がいった品物をお盆に取り分ける。 正直早くこのみせから出たいと言う気持ちはあったが… その女の人が、美人で少しだけくぎ付けになってしまいその人をジッと見つめていた。
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