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「ご注文の品物でございます
お会計は550円になります」
「あ、はい…」
もう、どっちの事で顔が赤くなっているのかわからなかった。
ただ、少しだけ罪悪感を覚えながらお金を払い品物が入った箱を手に持ちお店から出て行く。
カランコロン…
(…)
家路を右手には仕事で使っている鞄を持ちもう片方には今さっき買った真人へのお土産のケーキを持ちながら歩いている。
あと、五分もかからないだろう…
でも、真人にどう切り出したら
良いのかわからない。
どうしようと考えながら歩みを続ける。
ガチャ…
「あ、お帰りなさい。隼人兄」
「ただいま」
真人が玄関に駆け付けてきて先ず左に持っていたケーキの箱に目をやってきた。
「隼人兄?それ、もしかしなくてもケーキだよね?」
「ああ。お前の好きな生クリームのケーキを買って来てやったぞ」
「うわぁ、ありがとう!」
本当に嬉しいのだろう。真人は天使のように微笑んでいた。
(はぁ…どうやって切り出したら…)
「あ、あのな…」
「あ!隼人兄も買ったの?
じゃあこれは晩御飯が終わってから一緒に食べよう!」
「あ、うん」
や、やばいかも…これは切り出し難い…
「…」
だが、真人はそんなことを俺が言わずとも察知していたらしく真人は突然俺に告げた。
「…隼兄、僕ね、今から隼兄と繋がりたい。だめ?」
「え…?まさか、気づいて…」
「いいよね?」
真人の顔は何時にも増して真剣な表情だった。
俺は勿論…
「知らないぞ…」
と、答えた。
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