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ガタンゴトン…ガタンゴトン…
カンカンカン…カンカンカン…
会社への道で1番厄介なのがこの踏み切りだ。この狭い踏み切りなのに車は通るはバイクも通るはで、イライラするのだ。
そのせいで俺は一度会社に遅れそうになったんだから当たり前だろう。
「まだかよ…」
小さく独り言が零れるとふと隣にいた人物に声を掛けられた。
「…この踏み切り歩行者専用にしてくれると凄い助かるよね」
「…え?あ、ああ」
「あ、失敬…ボクの名前は
近藤雅、一ノ瀬さんの会社に務めているんだけど…わかる?」
「…す、すみません…
俺最近こっちに来たばかり何でちょっと…」
「ああ、そうだったね。まぁ、そのうちわかるよ。では、失礼するね」
踏み切りを渡る近藤さん。俺は何処かで見た顔だなぁ…と考えながら再び歩みを続けた。
「お、おはようございます」
「あら、一ノ瀬君!おはよ!」
「一ノ瀬、おはよ」
「おっはよー」
この部の人は皆優しい人ばかりだが何故か女は誰一人いない。さっき女見たいに話していた人はおネェ系で有名な片平聡さん
そして、キッチリとしていてクールな人こと里原神矢さん
チャラいと有名な牧村明津さんだ。
皆優しいがだが、時々嫌だと思う時があるのだ。
「あ、そうだ。一ノ瀬~」
「何ですか?明津さん」
「さっきさ、近藤さんが呼んでたぜ~」
「え?近藤、さん…」
ってさっき会った人?
「取り敢えず…今夜空けとけだってさぁ」
「え?な、何でですか?」
「嫌々、オレに聞かれても知らんから」
「…」
な、何の用だろ…
「あらあら。もしかして一ノ瀬君気に入られちゃったの?」
「このタイプはこの会社では滅多に来ないからな」
「そうよねぇ。でもあたしは神矢ちゃんが本命だから」
「や、やめろ。それ以上俺に近付いたらその顔無事でいるとは思うなよ?」
「やだやだ。照れちゃって!」
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