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('A`)「――しっかしまぁ
よく潰れてなかったもんだ」
枝豆から口を離したドクオは、1、2枚程斜めになった、壁掛けのメニューを見渡す。彼はかつてヨレヨレの制服を着ていた。今はヨレヨレのスーツ。意外にも身の丈に合っているように見える。
(´・ω・`)「失礼だな。僕だってもうバイトじゃないんだ、生活がかかってるってのに妥協なんかするもんか」
皮肉めいた口調ではあるが、彼の表情は垂れ眉垂れ目、休み時間のあの時と何ら変わりない。…わずかに、白髪が見えはじめた以外は。
(´・ω・`)「ところでブーン。それ以上のおかわりは別料金なのは、承知しているよね」
( ^ω^)「おっおっwww美味しい食事は食べるためにあるんだおwww」
ショボンへと差し出した米粒ひとつない茶碗を、僕は引き下げようとはしない。
やれやれ‥と鼻で息をし、それを受けとった彼は、それでも表情は変わらず綻んだまま、厨房へと姿を消した。
ぼーっとしていた僕に
ピシッ
右頬に人差し指がかする。向くとジョッキの半分を減らしたドクオが、ヘラヘラと笑っていた。
ここに米粒が付いてたんだよ と自分の頬を指さす。どうせ嘘だなとは思いつつも、こんな些細なやり取りさえ久しぶりで何だか嬉しかった。
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