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少女は一人ではこの男を運べないと判断し、カバンの中にあった緊急用の発煙筒を取り出す
発煙筒は赤い煙を大量に出しながら空へと急速に昇っていく
「(よし!これで都市の観測機が煙を見つけてくれれば、人を送ってくれるはず)」
少女はできる範囲で介抱しながら待つことにした。
...しばらくすると大きな荷物を持った旅人の格好をした二人の男が近づいてきた。ヒゲを生やした背の低い丸い体型の男と長身で白髪が疎らに入った黒髪の毬栗頭(いがぐりあたま)の二人だ。
二人の姿恰好を見た感じだとどうやら自分の都市から来た救援に来た者ではないようだ
どうやら、都市からの応援より先に近くにいた彼らが煙を見て来たようだ
私は一応警戒しながら腰にある護身用の短銃を目で確認し、二人の男に近づいていく
秩序なんてものは都市の外に出てしまえばないも同然。
周りには倒れている男を除いて三人しかいないのだ。
見渡す限り砂しかない場所に女が一人でいる…………悪質な者ならば問答無用で襲ってくるかもしれない
「(相手のどちらか一方でも能力者だとしたらこんな銃なんか何の役にも立たないけど......)」
「お嬢ちゃん何かあったかね?」と、砂の混じる風の中でも良く聞こえる声で背の低い男が言う
とりあえず私は事情を説明し、倒れていた男を近くにある都市まで一緒に運ぶのを手伝ってもらうよう頼んだ。
「ふむ......なるほど」
事情を理解した二人は快く引き受けた
「では、私が......」
と、長身の方の男が大きな荷物を肩から下ろし、気を失っている男を担ぐ
下ろされた荷物を小太りの男と私とで半分ずつ持つことになった
「(今の所怪しいところはないし、話してみるとまともな人そうだし......)」
そう思いながら二人に対して少し警戒心を和らげる
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