2/10
前へ
/15ページ
次へ
『お前は本当に頭が良いなぁ』 『僕、好きなんだ。こうして本を読むの。  それで、いつかお前の助けになれたらなんて思う』 木の根元で本を読む少年と、それを覗き込む少年。 二人が互いに笑い合う。 『じゃあさ、いつかは二人で天下を取らないか?  頭の良いお前が大将で、剣術が好きな俺がお前を守る!』 『本当か!?  だったらしっかりお前を支えられるように、僕、もっと勉強するよ!』 『約束な』 『ああ』 よく少年達が夢見る、子供の憧れだった。 その誓いは果たされない等とは、考えもしなかった。 二人は知らなかった。 時代の流れも、自分達のことも。 「お前、もういらないよ」 「え……」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加