〈1〉男性視点

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――どうも、人には見えないものが見えるようになってしまったようだ。  このホームの端にも、明らかに尋常ではない「もの」がいる。  背広を着たサラリーマン風ではあるのだが、頭が半分と、右腕が肩口からなくなっているのだ。左足も膝がありえない方向に捻れている。  周囲の者はその存在に気付いてもいないらしく、平然とした顔でいつもの朝を過ごしていた。
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