〈2〉女性視点

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 隣に並んでいるサラリーマン風の男を見たときから、心臓が早鐘を打っていた。  いつも同じ電車の同じ車両に乗り込む、わりと見知った顔。  私がちらちらと彼を見ているのに気が付いているのか、彼も時折こちらを伺っている。そのたびに、慌てて目を逸らした。  これはもう、間違いない。  私のこの感情は――
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