友に語る

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「君はどうして友達を殺したんだい?」 「おかしな事を言うな。オレは友達を殺してなんかいない」  むっと眉間に皺を寄せた彼は語気を強めて、言った。 「よく報道なんかで言ってるだろ? 口論のもつれからかっとなって友人を刺した、とかさ。あれって凄いことだと思うんだよな」  判然としない語り口調が鼻につく。けれど、僕は何も言わずに彼の双眸を見据えた。  茶色の瞳は、揺れなかった。
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