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「ほら、行くぞリア」
突然のことで戸惑っているリアに声をかける。
「灯香に言われるまでもないです」
彼女の魔力が足に集まっていく。
これなら余裕で時間内に走りきれるな。
魔力というのはただ精霊を使役する際に使うだけの物ではない。
自らの身体に集束させ、常人では考えられないパワーやスピードを出力することが可能だ。
とは言っても扱いが難しく、実際に習得しているのは精霊士の中でもエリートのみ。
アテリア精霊学園では、これが入試項目の1つとなっている。そのため、この学園の生徒や教師は全員が使える。
「ですが、声をかけてくれたお礼にみんなの所にまで連れてってあげます」
「え? どういうーー」
俺の言葉を最後まで聞かず、袖を掴んできた。
そのままドンッ! という衝撃音なと共に身体を壁におもいっきりぶつけたような感覚が駆け抜ける。
「ほう……
霧無動を使えるのか」
嶋崎先生の声が耳に届いた刹那、新堂が隣に現れた。
「うわ! 灯香君とリアさん!?」
彼の驚いた声が響く。
うん、気持ちは解るよ。俺も何が起こったのか、まだ脳が混乱してるから。
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