2.アテリア精霊学園

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「お兄ちゃん呼んだ?」  魔方陣から現れたのは10歳くらいの元気な女の子だった。  黄緑色でスカートの短いドレスみたいな服を纏っていた。  人間に近い姿をしているが、耳が尖っているため、精霊であることを認識できる。 「ごめんよ、シルフィーナ。急に呼んだりして」 「ううん。お兄ちゃんに会えるの嬉しいから、全然平気。  むしろありがとうだよ」  ニハハ。と屈託なく笑う新堂の精霊。  俺もたまにはお兄ちゃんと呼ばれたいぜ! 「そう言ってくれると嬉しいよ」  新堂は彼女のさらさらな黒髪を撫で始めた。  くっ! やはりあいつはイケメンで優しいからモテるんだ!  幼女だろうが同年代だろうが熟女だろうが関係ないんだ!  あの緩みきったシルフィーナの表情。俺もあれくらい心を許してくれる女の子に出会いたいよ。 「精霊と仲良くするのはいいんだが、早くしろ。時間がない」 「あ、ごめんなさい。  じゃあ早速だけどシルフィーナ、得意技いこうか」 「うん」  新堂が魔力をシルフィーナに送る。  ちなみに精霊たちは人間界で魔力を作り出すことができない。  理由は諸説あるが、元素界と人間界の理が違うという説が有力だ。
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