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「お兄ちゃん呼んだ?」
魔方陣から現れたのは10歳くらいの元気な女の子だった。
黄緑色でスカートの短いドレスみたいな服を纏っていた。
人間に近い姿をしているが、耳が尖っているため、精霊であることを認識できる。
「ごめんよ、シルフィーナ。急に呼んだりして」
「ううん。お兄ちゃんに会えるの嬉しいから、全然平気。
むしろありがとうだよ」
ニハハ。と屈託なく笑う新堂の精霊。
俺もたまにはお兄ちゃんと呼ばれたいぜ!
「そう言ってくれると嬉しいよ」
新堂は彼女のさらさらな黒髪を撫で始めた。
くっ! やはりあいつはイケメンで優しいからモテるんだ!
幼女だろうが同年代だろうが熟女だろうが関係ないんだ!
あの緩みきったシルフィーナの表情。俺もあれくらい心を許してくれる女の子に出会いたいよ。
「精霊と仲良くするのはいいんだが、早くしろ。時間がない」
「あ、ごめんなさい。
じゃあ早速だけどシルフィーナ、得意技いこうか」
「うん」
新堂が魔力をシルフィーナに送る。
ちなみに精霊たちは人間界で魔力を作り出すことができない。
理由は諸説あるが、元素界と人間界の理が違うという説が有力だ。
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