2.アテリア精霊学園

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「まぁ、いいです。  標的はあの人です。行けますか?」 「俺!?」  何故か俺を指差してきた。  ボケだよな? そうだよな? 「ああ、間違えました。あれはまた今度です。  あの人でした」  次はきちんと嶋崎先生を指差した。  そういえばリアは、俺のことをぼこぼこにしたくて仕方ないんだっけか?  さてどうやって対処するか考えないと。 「……ふむ。あれは厄介な精霊ですね」 「精霊……ですか?」 「はい。  リア殿が気付かれないのも無理はありません。むしろあれに気付けるのは“支配者”クラス以上の精霊だけでしょうね。  人間では目視どころか気配にすら気付けません。精霊の力を借りれば別ですけど」 「つまりあなたには見えているんですね」 「集中すればですが。  気を抜いた時点で私でも気配すら解らなくなります」  そういう精霊もいるんだ。  てことは先生は最初から精霊を召喚していたのか。  じゃああの新堂が攻撃したときに見えた魔方陣は、先生の精霊が発動させた魔術ってことだな。 「ほう。気付いたか。  なかなかの高ランク精霊と契約しているようだな」 「ツクヨミは気付いていたか?」  そっと囁くように尋ねてみた。 「一応は気付いてましたよ。  ただこの姿のままでしたから、気配に気付くのがやっとでしたけど」 「へぇ……」  猫に擬態しているとはいえ、ツクヨミですら姿を認識出来ないなんて。  本当に厄介だな。
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