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「そしてそのまま目潰しへ」
「うおお!?」
リアが手をチョキの形にして俺の目めがけて、突き出してきた。
間一髪それをかわし、足をもつれさせた振りをして抱き付こうとーー
「……!」
殺気を感じる。
このまま抱き着いたら待ち受けているのは死。ときどきチラつかせている日本刀で文字通り一刀両断されてしまう。
そんな予感が脳内を走り抜けた。
同時に俺の目論みは見抜かれていたわけで……
「くっ!」
じゃあこのまま水のみ場へ疾走ーー
「うぎゃっ!」
足を引っかけられ、その場にすっ転ぶ。
二手三手先を読まれていたのかよ。
「甘いですね灯香。修行し直して来やがれです」
「あはは……
容赦ないね、リアさん」
「当然です。
灯香はすぐに調子に乗りますからね」
結局俺は女の子達が向かったのとは別の水のみ場へ。唯一の救いは新堂が一緒に来てくれたことだ。
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