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俺達もカートにかごを乗せ、野菜売り場から順に見ていく。
ハンバーグだから玉ねぎは必須だし。あと和風の方がいいし、大根。
更に今後のことも考えて野菜を数種類かごに放り込んだ。
「月宮。このアボカドも買わない?」
「別にいいけど、俺アボカドを使った料理なんて出来ないぞ」
「灯香は可愛い女の子の笑顔が見たくないんですか?
あわよくば、惚れるかもしれません」
「全力で勉強しよう!」
「だ、誰が月宮ーーもがが」
リアがセリの口を手で塞いで何かを耳打ちしているが、関係ない。
セリが俺のことを好きに。
セリが俺のことを好きに。
セリが俺のことを……
『ほら私の愛しの灯香。あーん』
『あーん。おいしい!
次は口移しでお願いできるかな?』
『も、もう。しょうがないわね!
言っとくけど、こんなことするの灯香だけなんだからね!』
そして唇に食べ物を挟んだリアは瞳を閉じてーー
にゅふふふふ。
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