4.怪盗

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「ーーというわけで、月宮。あんたも手伝いなさい」 「……何を?」  土曜日の朝8時。  リアやセリと一緒に朝食を食べてる際に、事件は起こった。  思わず聞き返してしまったのは、自分の耳がおかしくなったのかと思ったからだ。 「だから銀色の猫としての仕事よ! さっき話したでしょ!」  下はホットパンツに黒いタイツ、上はたぶんキャミソールにポンチョを重ね着。そんな銀髪の美少女が大声で叫ぶ。  隣人に聞かれても知らないぞ。 「え? 何だって?」  わざと聞こえないふりをして、この場を乗りきろうとしたが、 「ぶっとばすわよ?」 「ああ、はいはい。  怪盗の手伝いを俺にしろってことね」  般若みたいな形相で言われたら、嫌でも素直になるわ。  そういやセリは日本でも有名な3人組の怪盗だったな。 「そうよ。  あんたの偽物を造る能力は役にたつから」 「といいますか、セリ。  こんな変態を連れていかずとも、他に2人いるじゃないですか」 「そう。俺もそれが言いたかった。決して変態はないけどな」  ふんわりしたスカートにTシャツ、カーディガンを纏っている少女に抗議。 「まだ2人とも満足に動けないの。  病院ではリハビリしてるんだけど、学校に来れるのは5月頃になりそうだから。  ランキング戦もうちのクラスは、その2人が全快になってからにしてもらったしね」  しかし変態の件は無視された……  意外にも学園側は臨機応変だな。
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