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「ーーというわけで、月宮。あんたも手伝いなさい」
「……何を?」
土曜日の朝8時。
リアやセリと一緒に朝食を食べてる際に、事件は起こった。
思わず聞き返してしまったのは、自分の耳がおかしくなったのかと思ったからだ。
「だから銀色の猫としての仕事よ! さっき話したでしょ!」
下はホットパンツに黒いタイツ、上はたぶんキャミソールにポンチョを重ね着。そんな銀髪の美少女が大声で叫ぶ。
隣人に聞かれても知らないぞ。
「え? 何だって?」
わざと聞こえないふりをして、この場を乗りきろうとしたが、
「ぶっとばすわよ?」
「ああ、はいはい。
怪盗の手伝いを俺にしろってことね」
般若みたいな形相で言われたら、嫌でも素直になるわ。
そういやセリは日本でも有名な3人組の怪盗だったな。
「そうよ。
あんたの偽物を造る能力は役にたつから」
「といいますか、セリ。
こんな変態を連れていかずとも、他に2人いるじゃないですか」
「そう。俺もそれが言いたかった。決して変態はないけどな」
ふんわりしたスカートにTシャツ、カーディガンを纏っている少女に抗議。
「まだ2人とも満足に動けないの。
病院ではリハビリしてるんだけど、学校に来れるのは5月頃になりそうだから。
ランキング戦もうちのクラスは、その2人が全快になってからにしてもらったしね」
しかし変態の件は無視された……
意外にも学園側は臨機応変だな。
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