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「そんなわけだから、頼むわよ」
「いやいやいや!
何でそんな理由で犯罪の手助けなんかしなきゃならないんだよ!
美少女の頼みでも前科持ちになるのは、絶対やだ!」
「……なんだ、そんなこと心配してたの? 大丈夫よ、今回は犯罪にならないから」
「は?」
物を盗むのが犯罪じゃないって、どういうことだ?
「詳しくは言えないけど、今回の依頼は魔術省から来たものだから」
「はあ!? 魔術省!?
吐くなら、もっと巧い嘘を頑張って考えろよ」
魔術省とは国の組織。
国土交通省やら防衛省と同じ機関であり、全員が精霊士である。
かなりのお偉いさんが集ってる場所だぞ。
「本当よ。
もし警察に捕まっても国が圧力をかけて、すぐに釈放されるから大丈夫。そういう契約にしたから。前科もつかない。
もちろん魔術省に顔割れはしてないわ」
「……何か証拠があるなら信じてやるよ。それに手伝ってもやる」
「本当ね?」
「男に二言はない」
大丈夫。
どうせ証拠なんてないし、嘘だろうから。
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