4.怪盗

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 ーー 『きゃあ!』  セリが可愛い悲鳴をあげながら、俺の腰に両手を回して抱きついてきた。  胸は小さいが、きちんと女の子らしい柔らかさがある。 『ふむ。悪くない  それでどうしたんだ、セリ』 『い、今何か暗闇で動いたの!』 『ちょっと待ってな。今見てくるから』  しかしセリは俺から離れようとしない。  可愛いけど、これじゃ見にいけないんだけど…… 『ほら、セリ。ちょっと離れて』 『嫌! 私を1人にしないで!』 『はは。  じゃあ可愛いセリの要望に応えようとしようか』  セリの腰に手を回し、2人で何かが動いた場所へ接近。  しかしそこには何もなかった。 『大丈夫だよセリ。何もいない。  たぶん虫でもいたんだよ』 『ほ、本当?』 『ああ』  『ほう』と息を吐き、ひと安心したのが伺える。  そして現在の状況に気が付いたのか、どんどん頬が赤に染まっていった。 『あ、う……  すぐに離れるから!』  そう叫び、俺の腰から離反。  柔らかな温もりが無くなったのは残念だ。
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