4.怪盗

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『いい! 今のは違うんだからね!  す、好きでくっついたわけじゃないの! あんたが私の身代わりになると思って、近くにいただけなんだからね!』 『はは。  わかった。わかった』 『全然わかってないでしょ!』 『わかってるよ。  セリが凄く可愛いってことは』 『なっ!  も、もう知らない!』  照れ隠しなのか、セリはそのまま先に歩き出してしまった。  ーー  なんてことに。  にゅふふふふ。 「ママ、見てあの人」 「しっ! 目を合わせちゃいけません!」  ん?  やべ、道の真ん中で止まってたか。リアとセリは?  辺りを見回すと、すでにコンビニの前にいた。  ……声くらいかけてくれてもいいじゃないか!  かなり恥ずかしい……!  軽い駆け足で彼女たちの下へ急いだ。 「あんたは一体何をやってるのよ」 「仕方ありません。セリとの妄想を楽しんでいたのですから」 「また!?」 「そして道の真ん中でにやにやして、色んな人に嘲笑されるのが気持ちよくなっています」 「妄想してたのは認めるけど、気持ちよくはなってねぇよ!  声くらいかけてくれよ」  まだ顔が熱いわ!  クラスメイトに見られてなきゃいいんだけど……
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