4.怪盗

8/39

8351人が本棚に入れています
本棚に追加
/427ページ
「いえいえ。そんな勿体ないことできませんよ。  変態がど変態に進化するのを、この目で見たかったので」 「それは進化じゃねぇよ! 退化だ!  それに俺は変態じゃなくて、可愛い女の子が大好きなだけだ!」 「え? ロリコン?  駄目ですよ。さっきの幼稚園児に欲情しちゃ。私でも引いてしまいます。  ワープ進化で究極体になるのは、まだ時期が早いです」 「そういう意味じゃねぇ!  てか、懐かしいな!」 「え? ロリコンが?」 「そっちじゃない!  確かに小さい子どもは可愛いけど、次元が違うんだよ! 俺と同い年位が一番いい!」  犯罪者予備軍みたいな言い方するんじゃない。 「だ、そうですよセリ」 「え? 私?」 「仕事中に童貞坊やに襲われないよう、警戒しておいて下さい。  妄想と現実の境目が区別つかなくなるかもしれないので」 「だからしないっての!  そんなことよりさっさと魔術省に電話をーーおわ!」  公衆電話に向かって歩き出そうとした足を踏み出した刹那。  僅かな段差に足をとられてバランスが崩れた。世界が回り、何か柔らかい物に触れながら転倒した。
/427ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8351人が本棚に入れています
本棚に追加