4.怪盗

11/39
前へ
/427ページ
次へ
「平気ですよ。困っている後輩を助けるのも先輩の役目ですから。  あなたが恥を忍んで灯香に頼むなんて、よっぽどのことでしょうし。だから魔術省に頼み込んで、警察に捕まってもすぐに釈放されるようにしたんですよね?」 「……あはは。バレちゃってた? 流石リア先輩。  確かに今回は私達、銀色の猫が3人揃っていなくちゃ厳しい依頼なの。  あっちが提示してきた報酬を減額。更に失敗した場合は報酬無しにして、警察に圧力をかけるようにしてもらったわ」 「でしたらね。先輩の厚意は受けとる物ですよ。  灯香だけでは失敗率が99パーセントなので」 「あ、うん。ありがとうリア先輩。  このお礼は必ずするから」 「そんなのいいですよ。  いつか私のお願いごとを聞いて頂ければ、それで構いません」 「わかったわ。  本当にありがとう、リア先輩」  セリは深く頭を下げた。  確かに標的にお願いするだなんて、普通やらないからな。  どんな場所に忍びこむんだろうか?  すげぇ、不安なんだけど。  そんな訳でリアの参加も決まり、内容や作戦を決めるために寮へ戻った。
/427ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8351人が本棚に入れています
本棚に追加