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「え? 入院のお金ってセリが払ってるんですか?」
「あ……」
しまった……
みたいな表情を浮かべるセリ。
「……そうよ。
詳しいことは言えないけどね」
「だ、そうですよ灯香」
「わかったよ……
だけどさ、もうこんな危険な任務は引き受けるなよ。俺はセリのことが心配なんだよ」
「わかってるわ」
「あ、素直だ。
とうとうデレ期に入ったのか?」
「うるさい黙れ!
あんたが口うるさく言うから仕方なくよ、仕方なく!」
「ツンデレ、ごちそうさまでした」
これぞまさしく王道。
いいね。疲れが吹っ飛ぶよ。
「セリ、灯香は無視してください。
それよりどうして、その書類を盗むのが危険なんですか?」
「えと、まぁ……」
セリがチラッと俺に目配せしてきた。
「うちの学園の理事長には黒い噂があるんだよ。
人体実験をしているやら、人工的に魔物を造りだそうとしているやら、禁忌の精霊魔術の研究やら……
どれが本当でどれが嘘なのかはわからないけどな」
巧妙に隠蔽工作をしてるから、証拠が全然見つからないんだよな。
だから魔術省はもうなりふり構っていられず、銀色の猫に依頼したのだろう。
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