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「この聴診器みたいなものって、よく漫画やアニメでやってるあれですか?」
「ええ。ダイヤル式の金庫を開ける為に必要な道具よ。
魔力で開けられないようにする術式が施されてる場合もあるけど、まずはどうしても正確な番号が必要だから」
「ほんの少しだけ音が違うのを聞き分けるためだよな?」
「そうよ。
ちなみに暗証番号式なら、これを使えば素人でも簡単に開けられるわ」
黒い電卓のような機械を持ち上げた。
0~9までの数字を押すボタンと長方形の画面が付いている。
ただ電卓に比べると、倍以上にぶ厚い。
「これは中に小型のコンピューターが内蔵されていて、さっき月宮が言った音を聞き分けることを自動でやってくれるの。
ただダイヤル式には使えない。何でかわかる?」
「ダイヤルを回す音も拾っちゃうからですよね」
「リア先輩、正解」
詳しいな、リア。
俺はてっきりダイヤル式は古くて使えないけど、暗証番号式は新しいから使えると思ったわ。
「あとこの眼鏡みたいなものは、赤外線を視認できるようにするためのもの。
この靴はほんの数ミリだけど、常に空中に浮いていられるわ。こっちの手袋は魔力の溜まり場がわかるもの。
インカムは……説明しなくてもわかるわよね。
まずはダイヤル式の金庫の開け方を練習するわ」
セリは再び魔方陣を床に出現させると、典型的な金庫が現れた。
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