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「じゃあ月宮からやってみる?」
「そうだな。
一発で開けてやるから、その勇姿をしっかり見とけ」
自信満々にいい放つ。俺は有言実行をするからな。
きっと惚れてくれるさ。
聴診器みたいな道具を身に付け、金庫と対峙する。
アニメとかで良くやってるように、音を拾う部分をドアにくっ付ける。
そしてゆっくりとダイヤルを回していきーー
…………
………………
「全然わかんねぇ!」
一周、二周、三周。何度試してもずぅーっと同じ音しか聞こえないんだけど!
本当にこんなんで違いを聞き分けられるのかよ!
「ふっ。これだからヘタレは」
「自信はあったようだけど、流石に一発目じゃ無理だったわね」
女の子達が嘲笑してくる。
こんなはずじゃ、こんなはずじゃ無かったのに!
美少女にキャーキャーされるプランだったのに!
泣きたくなってきた。
「私が灯香にお手本を見せてあげましょう。それを貸しやがれです」
「はい……」
力無く、聴診器みたいな道具をリアに手渡した。
誰か俺を慰めてくれよ。平井さんがいてくれればなぁ……
世界とはなんて無情なのだろう。
横ではリアが金庫と睨みあっていた。
いくら彼女でもこればかりはーー
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