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「はい、開きましたよ」
「「え! 」」
セリの驚愕の声とハモる。
いやいや、いくら何でも早すぎでしょ! 30秒も経ってないわ!
しかし実際に金庫は開いている。
こんなの最初から番号を知っているか、セリ並みのプロじゃないと不可能だろ。
「え? いや……え?」
その怪盗が本業の少女も狼狽えていた。
この様子だと答えを教えたわけでは無さそうだ。
「……セリ、番号は何桁にしておいたんだ?」
「一応5桁なんだけど……」
てことは、5回ダイヤルを回して番号を合わせる必要がある。
平均6秒で発見していったのか?
「それにしても女の勘が冴え渡りましたね。自分でも驚きです」
「それでも凄いわリア先輩!
才能ありますよ!」
……セリも理解しているだろうが、これは才能とかの問題じゃないだろ。
いくらビキナーズラックが発動しても、その範疇は軽く凌駕してる。
経験に裏打ちされた技術の結晶と表現すべきものだ。
ふむ。やはり普通の学生じゃないことは確かだな。美少女だから何の問題も無いけど!
「ありがとうございますセリ。
ほら、見ましたか灯香。運も実力の内なのですよ」
「くっ……!
もう一回やる!」
普通じゃないことに気付いてないフリをしながら、再び俺は金庫に挑戦した。
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