4.怪盗

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 しばらくすると眠そうなリアがやって来て、当然のように朝食を食べ始めた。 「それにしても随分眠そうだな。何時に寝たんだ?」 「……そんなろくでもない質問に答える義務はありません」  機嫌悪っ!  いつもなら冗談混じりな口調で「変態に教える筋合いは無いですね。セリにだけは伝えました」とか何とか言いそうーー  って、あれ?  これでも充分酷いこと言われてるよな? だんだん感覚が鈍って来てるのか?  それでもこんな不躾な言葉遣いは初めてだから、戸惑うな。 「おーい、セリ。  リアの奴、何かあったのか?」  彼女にだけ聞こえるように、小声で話す。  セリも俺と同様に小さく返してきた。 「わからないわ。  私が起こしに行った時もこんな調子だったし」 「ふむ。  しばらく機嫌が悪いことには触れないようにしとくか」 「そうね。  深刻なことだったら相談してくるでしょうし」  気にはなるけど、詮索するほど親しい訳でもない。  ここは放置が最善だろう。  彼女は無言のまま食事を喉に通していく。  テレビから流れるニュース番組のアナウンサーの声と音楽だけが、部屋を支配していった。  俺はセリと共にソファに座り、猫に変化しているツクヨミを優しく撫でてやる。  彼女は猫らしくソファの上で気持ち良さそうに眠っていた。
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