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しばらくすると眠そうなリアがやって来て、当然のように朝食を食べ始めた。
「それにしても随分眠そうだな。何時に寝たんだ?」
「……そんなろくでもない質問に答える義務はありません」
機嫌悪っ!
いつもなら冗談混じりな口調で「変態に教える筋合いは無いですね。セリにだけは伝えました」とか何とか言いそうーー
って、あれ?
これでも充分酷いこと言われてるよな? だんだん感覚が鈍って来てるのか?
それでもこんな不躾な言葉遣いは初めてだから、戸惑うな。
「おーい、セリ。
リアの奴、何かあったのか?」
彼女にだけ聞こえるように、小声で話す。
セリも俺と同様に小さく返してきた。
「わからないわ。
私が起こしに行った時もこんな調子だったし」
「ふむ。
しばらく機嫌が悪いことには触れないようにしとくか」
「そうね。
深刻なことだったら相談してくるでしょうし」
気にはなるけど、詮索するほど親しい訳でもない。
ここは放置が最善だろう。
彼女は無言のまま食事を喉に通していく。
テレビから流れるニュース番組のアナウンサーの声と音楽だけが、部屋を支配していった。
俺はセリと共にソファに座り、猫に変化しているツクヨミを優しく撫でてやる。
彼女は猫らしくソファの上で気持ち良さそうに眠っていた。
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