4.怪盗

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 そんなこんなで夜。  偽物に着せる服は怪しまれないために、学園の制服。唯一の抵抗として黒ニーソを履かせ、絶対領域を眺めてやることにした。  いやー、いいね。  これくらい大っぴらにあざとくするのもありだな。  加えて仮面を付け、帽子もかぶらせている。見た目ではこの2人だとわからないはずだ。  ちなみに撹乱させるために俺の偽物は作っていない。 「11時30分……そろそろ校舎に行くわよ」 「一応聞くけど、どうやって中に入るんだ?  施錠されてるだろ」 「特別棟と第一校舎を繋ぐ渡り廊下のドアが一番侵入しやすいわ。  理事長室の場所は第五校舎の最上階だから、多少遠いけどね」  まぁ、あまりにも近い場所から入ると罠とかありそうだしな。  その道のプロだし、任せておくか。 「了解」  後は昼間話した通りにやればいいか。  とにかく見つからないことを最優先にして行動しないとな。  気合いを入れ直し、学園へ向かう。
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